タイルの割付け:中心線にタイル心と目地心、どちらを合わせる?
中央を出すだけでは割付けは決まりません。同じ中心線でも、タイルの中心を合わせるか、目地の中心を合わせるかで端部の切物寸法が大きく変わります。墨出しの位置を決める前に両方を比較しましょう。
全幅 2600 mm、タイル実寸 600 mm、一般目地幅 3 mm、左右の逃げを仮に各 5 mm とすると、有効なタイル面の幅は 2590 mm です。タイル心割りは 5 枚分の位置で端部各 389 mm、目地心割りは 6 枚分で端部各 87.5 mm となります。この例では広い切物の方が納まりやすくなります。隙間寸法は計算用の仮定で、共通の施工仕様ではありません。操作式の割付けソフトではなく、計算例を示す解説です。
タイル実寸、目地幅、有効寸法を確認する
タイル面を決める仕上がりの境界間を測ります。箱の表示が呼び寸法の場合もあるため、実際のロットから数枚を測ってください。繰り返す割付けに使うタイルの実寸が必要で、面取りによって広く見える目地の開きとは区別します。一般目地幅と周囲の伸縮のための逃げは、設計と施工システムの指示に従って決めます。この幾何計算で指定するものではありません。
- W
- 選んだ境界間の全寸法。
- eₗ, eᵣ
- 手前側と反対側にそれぞれ確保する周囲の逃げ。
- F
- 両端の逃げを差し引いたタイル面の有効寸法。
- t
- この軸方向のタイル実寸。
- g
- 隣り合うタイル間の一定の一般目地幅。
- p
- タイルと目地を合わせた繰返しモジュール。
- N
- 切物を含め、タイルが実際に存在する位置の数。
- c
- 複数のタイルで成立する列における、両端の等しいタイル寸法。
同じ基準線に対する二つの割付け
両端の切物を同じ寸法にするには、有効なタイル面の中央を基準線にします。A はタイル心、B は一般目地の中心を合わせます。両者の切替えでは、目地を含むモジュールの半分、メートル法の例では 301.5 mm だけ格子がずれます。タイル単体の半分だけずらすこととは異なります。
- A · タイル心割り
- B · 目地心割り
残りを二分する前に内部の目地を数える
両端のタイルと、その間の全形タイルからなる列では、一般目地の数はタイル位置の数より一つ少なくなります。内部の全形タイルと目地を差し引き、残ったタイル部分の長さを両端に等分します。下の式は、位置数と割付けの条件が成立している場合に限り使えます。
F = W − eₗ − eᵣ; p = t + g
x₀ = eₗ + F / 2
F = 2c + (N − 2)t + (N − 1)g
c = [F − (N − 2)t − (N − 1)g] / 2
N ≥ 2; 0 < c ≤ t
N は整数で、タイル心割りなら奇数、目地心割りなら偶数です。端部寸法は正で、タイル一枚の寸法以下でなければなりません。タイル実寸と内部目地の合計が有効寸法に正確に一致することを確認します。境界が一般目地の途中に来る割付けは、ここで定めた周囲の逃げの条件では、両端のタイルが等しい列として成立しません。微小なタイルや余分な端部目地を仮に追加しないでください。
一枚分しか入らない場合は別扱いです。F が t より小さければ、一枚の切物が F 全体を覆います。等しければ全形一枚です。これは両端の二枚ではありません。複数枚の列で c = t なら、端部は切物ではなく全形です。例えば F = 2409 mm には 4 枚の 600 mm の全形と、3 本の 3 mm 目地が収まります。幅ゼロの c は実物のタイルではありません。枚数の判定では入力精度を保ち、丸めは表示寸法だけに行います。
同じ有効寸法でも端部は変わる
表は、このメートル法の条件で成立する二つの割付けです。ここでは A の 389 mm の端部が、B の 87.5 mm の細片より納まりやすくなります。この面での比較であり、常にタイル心割りが優れる、あるいはすべての現場で半枚より大きな切物が必須という規則ではありません。
| 割付け | 位置数 N | 内部の全形 | 内部目地数 | 端部各 c (mm) |
|---|---|---|---|---|
| A · タイル心割り | 5 | 3 | 4 | 389 |
| B · 目地心割り | 6 | 4 | 5 | 87.5 |
縦横を別々に割り付け、隅を確認する
例を 2600 × 1850 mm の長方形に広げ、タイル実寸を 600 × 300 mm、一般目地を同じ 3 mm、周囲の逃げを各辺仮に 5 mm とします。有効寸法は 2590 × 1840 mm です。X と Y の割付けは独立して選べるため、同じ種類にそろえる必要はありません。
| X / Y の割付け | 位置の格子 | X 端部 (mm) | Y 端部 (mm) | 施工する全形 | 切物数 |
|---|---|---|---|---|---|
| A / A | 5 × 7 | 389 | 161 | 15 | 20 |
| A / B | 5 × 8 | 389 | 9.5 | 18 | 22 |
| B / A | 6 × 7 | 87.5 | 161 | 20 | 22 |
| B / B | 6 × 8 | 87.5 | 9.5 | 24 | 24 |
A/A は施工位置が 35、内訳は全形 15 枚と切物 20 点です。切物のうち隅が 4 点、それ以外の周囲が 16 点です。隅は縦横とも切るため、重複して数えないでください。これは施工する部材の数で、新品タイル 35 枚という発注数ではありません。
長方形タイルを 90° 回すと縦横の実寸が入れ替わります。回転後の A/B の例では 9 × 4 の格子、端部寸法 233 × 315.5 mm、全形 14 枚、切物 22 点となります。ある尺度で端部が広いだけで最適方向が決まるわけではありません。見通し、柄の方向、実際の切断計画も考慮します。
周囲の伸縮の逃げと一般目地を区別する
一般目地はタイル同士の間に設けます。周囲の伸縮のための逃げは拘束する境界側に設け、採用する施工システムに従います。計算を合わせるために必要な伸縮目地を埋めたり、硬い材料でまたいだりしないでください。面内の伸縮目地は面を別々の設計区画に分けるため、この連続格子の範囲外です。位置数が同じでも、g を増やすと内部目地の合計が変わり、両端の切物寸法も変わります。
左右の逃げが違うと有効面の中央も移ります。W = 2600 mm、eₗ = 5 mm、eᵣ = 10 mm なら、F = 2585 mm で、基準線は手前の境界から 1297.5 mm の位置です。部屋全体の中央ではありません。この線でタイル心割りにすると両端は各 386.5 mm です。出入口などが別の基準線を要求する場合、両端を等しくできないこともあります。対称の式をそのまま当てはめず、現場専用の図を作成してください。
対称でも使いやすい切物とは限らない
細片も大きな切物も完全な左右対称になり得ます。割付けの選択前に実際の幅と見える境界を比べてください。有効幅がわずか 80 mm で、600 mm のタイル内に収まっても、切物は細いままです。中心を合わせても面は広がりません。両案とも難しければ、別のタイル寸法、向き、基準線を検討します。許容できる最小幅は製品、切断方法、使用条件、意匠によるため、世界共通の最小割合は定めません。
分数インチによる独立した計算例
Daltile の Quarry Tile 資料には 6 × 6 in の形状と推奨目地 3/8 in が記載されています。この別の学習例では、確認した実寸をちょうど 6 in、全幅を 9 ft(108 in)、設計上の周囲の逃げを各 1/4 in と仮定します。有効幅は 107 1/2 in です。実ロットと施工仕様を確認してください。ここで仮定した実寸と逃げは、すべての箱や現場に対する保証ではありません。
| 割付け | 位置数 | 内部目地数 | 端部各 (in) |
|---|---|---|---|
| A · タイル心割り | 17 | 16 | 5 3/4 |
| B · 目地心割り | 18 | 17 | 2 9/16 |
施工する部材数だけでは発注数は決まらない
位置数は図上の配置箇所です。全形は切らずに施工するタイル、切物は施工する断片、購入数は元のタイルの数です。一枚から二つの切物が取れるのは、切断形状、刃の切り代、仕上げ、柄方向が許す場合に限ります。残材の利用、破損、予備、梱包単位も発注数に影響します。このモデルは材料取りを最適化せず、正確な購入数も計算しません。面積に余裕率を加える方法は別の概算であり、その枚数で切断計画が成立する証明ではありません。
仮並べで現場に照合する
- 選んだ有効面の軸を記し、向かい合う境界まで測ります。直角と実際の壁形状を確認します。
- 実際のスペーサーと周囲の逃げを使い、縦横の代表的な列を仮並べします。最終片の実測を図と比べます。
- 墨出し位置を確定する前に、出入口の見切り、見通し、壁の折返し、柄方向を確認します。
- 採用する切物寸法と、別途の切断・発注計画を記録します。タイル、目地、境界、向きを変えたら再確認します。
このモデルの適用範囲
対象は、長方形の一面、直線で直交する配列、長方形タイル、一定幅の一般目地です。斜め張り、ヘリンボーン、馬踏みなどのずらし張り、多サイズ模様、L 字面、曲がった壁、ニッチ、柱、排水口、複雑な出入口、部屋をまたぐ連続割付けは解きません。伸縮への対応、防水、下地、法規や基準への適合を設計するものでもありません。これらには個別の割付けと施工詳細が必要です。
解説とアプリの機能を区別する
Construction Calculator: Pro² にはほかの幾何・墨出し用ツールがありますが、専用のタイル割付けプランナーは確認済みの公開機能に含まれません。この解説がアプリに機能を追加するわけではなく、タイル計画の保存や図面出力も約束しません。関連ツールは記載された用途に使うもので、この方法や現場固有の計画の代わりにはなりません。
技術資料と計算上の仮定
方法と図は当方独自の学習用幾何です。以下の資料は割付けの実務、用語、実寸と目地、伸縮のための逃げを裏付けます。CTEF による米国の施工品質の説明を、すべての国の義務として示してはいません。読んだのは公開資料であり、有料の ANSI/TCNA 規格全文ではありません。Daltile の値は指定の製品資料に限られ、すべてのタイルには当てはまりません。例の寸法と周囲の逃げは仮定値です。